ライブにこだわるからファンが増えないと気付いてますか?
舞台の演劇をビデオにするメリット
「舞台の演劇をビデオにする意味」について話してみたいと思います。
私は、20年以上前から、舞台の演劇のビデオを作っています。
初めは知り合いの役者さんに頼まれて、2台のビデオカメラを使って舞台の撮影をして、それを見やすく編集した映像を、ビデオテープにコピーして納品していました。
元々はビジネスとしてやっていたわけではありません。
私の趣味の「映画作り」で、いつもこうノーギャラで出演してくれている役者さん達がいたので、そのお返しというような形で舞台映像を作っていました。
それを続けたことで、「複数のカメラで撮影した映像を組み合わせるコツ」が身に付いたわけです。
ライブで見るエンターテイメント全般に言えることですが、生でステージを見るのが一番魅力的であることは間違いありません。
この魅力を100とすると、ビデオ版は大体60ぐらいしか魅力が伝わらないと思います。
生の臨場感、その「活気」とか「独特な雰囲気」があるんですね。
そういう魅力とは、残念ながらビデオで出すことは難しい。
一方で、劇団というのは多くの場合、ビジネスとして成り立たせるのが非常に難しい分野のようです。
劇団の団費を集めて、資金を用意し、公演を開催するわけですが、非常にお金がかかる。
収入源は、見に来てくれるお客さんのチケット代。
しかし、チケット代でまかないきれないことが多いと聞きます。
赤字になってしまう。
ところが、「舞台で演じる」ということ自体、非常に魅力的ですから、演劇を創る側が自腹を切って、その舞台を続けているというようなことが多いようです。
私は常々、「その舞台演劇を撮影してビデオコンテンツ化すれば、多少なりとも収入の足しになるんじゃないか」と提案しています。
実際、劇団によっては、公演のたびに業者に高画質の撮影をさせて、販売用のDVDを作り、次の公演の時に劇場で売ったり、劇団のサイトから通販したりというようなことで収入を上げています。
私も、ビデオ編集でご協力させて頂いています。
特に規模の小さい劇団にとっては、この公演のコストは高くつくわけですね。
ファンが少なくて回収できない。
だからこそ、その芝居をビデオコンテンツ化して販売すれば、収入源にもなりますし、何よりも「劇場に来られなかった人に見せることができる」という大きなメリットがあると考えるわけです。
ところが多くの劇団関係者は、この「ビデオ」というのが嫌いなんです。
「舞台は生で見て欲しい」と。
理由ははっきりしています。
「ビデオで見ると、つまらなく見えるから」です。
初めに言ったように、ライブの魅力が10だとしたら、ビデオではその魅力は6に減ります。
「ライブ感」、「雰囲気」、これだけが「売り」の芝居というのは、確かにビデオ化すると何が面白いんだか分からないというようなものになってしまうんです。
そうすると
- 劇団の宣伝になってくれない
- つまらない芝居を作っているように見えてしまう
そういう思いからビデオを作りたくないという人が多いのは、納得できます。
しかし、舞台の演劇には色々な要素があります。
独特の雰囲気、ライブ感とは別に、その物語の構成だとかその役者の技術は、ビデオ版でも判断が付くわけです。
はっきり言って、面白い舞台演劇はビデオで見ても十分面白いんです。
ライブ感、雰囲気というのは、生で見た時の「プラスアルファ」であるべきなんです。
ビデオ化のメリット
舞台の演劇をビデオにするメリット、というのはたくさんあります。
演劇と言うと、「下北沢」。
ここに、たくさん小劇場があって、多くのファンは観に来るわけですけれども、北海道にも演劇ファンはいるわけです。
そうそう下北沢に来ることはできない。
まぁ一生に一回も下北沢に来ない人もたくさんいるわけですね。
小劇団の演劇を観たいなと思っても、何万円もかけて北海道から下北沢に行って、2000円のチケットを買って芝居を見る、という贅沢なことは、なかなか出来ないわけです。
もし、その劇団のサイトがあって、公演のビデオが販売されていたらどうでしょう?
一度も、その生のステージは見たことはないけれども、毎回新作が出るたびにDVDを買って楽しむ、というようなファンが北海道に生まれる可能性が出てきます。
「いや、やっぱり芝居は生で見て欲しいから」と言って、ビデオコンテンツ版を作らないと、そういうファンというのは絶対に生まれません。
どちらが得でしょうか?
私は「舞台のビデオ化」を常々提案しています。
主に小劇団の方からお問い合わせをいただいたり、相談をいただいたりすることがあるので、「ビデオ化する場合の注意点」とか、「安く見栄えのするビデオを作るにはこういう方法がありますよ」というようなことを提案したりしています。
もし、あなたが劇団関係者で、ライブで芝居を見せるだけではなく、そういう舞台映像を商品として持ちたいと思われた場合は、是非遠慮なくご連絡ください。